ウルセラでは高密度焦点式超音波エネルギー(注)を集束させ、分子レベルの摩擦熱により選択的にSMAS(表在性筋膜)上層部に熱変性を起こさせることで、SMASを収縮させ、上に引き上げます。
高密度焦点式超音波エネルギーでは、エネルギーを1点に集中させ焦点部を破壊します。レーザーとは違い皮膚表面に吸収されない為、皮膚にダメージを及ぼすことなく、焦点のあった部位のみを変性させます。
(注) 高密度焦点式超音波エネルギーとはHIFU(ハイフ=High Intensity Focused Ultrasound)のことで、超音波エネルギーを約1mm3程度の部位に集中させ、目的の場所だけを加熱する治療法を高密度焦点式超音波治療法といいます。HIFUには、超音波が集中して当たる部分だけが高温になり、他の組織にはほとんどダメージを与えないという特徴があります。HIFUは、前立腺ガンなどの腫瘍手術、婦人科の治療などにも幅広く採用されています。そして、このようなHIFUの技術を活用し、たるみ解消を目的とした美容医療器械として開発されたのが「ウルセラ」です。
密度の深度は施術中に調節します。深度は4.5mm、3.0mm、1.5mmの3段階のハンドピースにより調整が可能で、4.5mmでSMAS上層、3.0mmで皮下組織、1.5mmで真皮の中を狙います。SMASだけではく、真皮深層・皮下組織にも焦点を合わせ、皮膚の収縮も同時に行います。顔のたるみやシワなどの老化は、皮膚・皮下組織・筋膜などのあらゆる深さで起きますので、そのすべての層(深さ)を同時に治療することが理想的なアンチエイジング治療です。ウルセラは、同時に1.5mmと3.0mm、4.5mmの3層の深さを治療ができますので、理想的なアンチエイジング治療と言えます。
※超音波の熱がどのように実際の組織で反応しているの、食肉で試した動画
白く変わったところが、熱変性を起こしています。実際の組織でも、SMASでこのような変化が起こり、その結果、SMASが収縮し、上に引き上げられ、その修復過程で、コラーゲンが再生されるのです。
熱変性により、SMAS及び真皮がギュッと引き締まり、施術直後より引き上げ効果が実感できます。
施術直後より約1,2か月かけて、熱変性による真皮及び皮下組織の修復が始まります。この治癒過程で、大量のコラーゲンが時間の経過とともに再生成され、皮膚の厚みや弾力が増し、更なる引き上げ効果と小じわの改善効果をもたらします。
ウルセラがSMASと皮膚を引き上げる様子を現した動画
ウルセラは2004年にアメリカで開発されました。
ウルセラの開発者は、前身の会社で、肝臓腫瘍の画像診断と除去治療を同時に行える医療器械の開発を行っていました。
このとき研究していた「見ながら治療する」という技術を美容医療にも活用したいという想いが、ウルセラ社設立のきっかけです。
その後、器械の開発段階より、ハーバードメディカルスクール、マサチューセッツ総合病院などをはじめ、アメリカにある数々の医療研究機関で臨床実験を繰り返し、有効性や安全性を立証しました。
こうして誕生したのが、「超音波による唯一のリフトアップ治療」を可能としたウルセラです。
開発までに何万件もの臨床実験を重ねた結果、有効性や安全性が立証され、FDAで初めて「Eye brow lifting(=眉毛のリフトアップ)」の効果がある医療器械として認められました。さらに2012年には「首とあご下のたるみ治療」の効果、2014年には「治療中の組織層を視覚化するための機器」として、
FDAに承認されました。
※FDA(=Food and Drug Administration、食品医薬品局)
日本の厚生労働省にあたるアメリカの行政機関